平成19年度 日本緑化工学会公開シンポジウム

〜緑豊かな街づくりのための、都市緑化技術とその課題(U)〜

 東京都は、昨年12月に発刊した冊子「10年後の東京」のなかで、今後のあるべき東京の姿を鮮明にするとともに、2016年のオリンピック誘致を見据えた新たな都市戦略の必要性を打ち出した。また、本年6月からは、「水と緑の回廊で包まれた美しいまち東京」の復活に向けて「緑の東京10年プロジェクト」の推進が開始された。そこでは、グリーンロード・ネットワークの形成や1,000haの緑の創出、水辺空間の再生、無電柱化の推進など、多くのテーマが並ぶ中、その実現には課題も否めない。
 例えば、新たな緑地の創造は、校庭芝生化だけで解決できるものではなく、水辺空間の再生も本来の自然や生態系への配慮が必須である。無電柱化の推進という方向性も、一方では豊かな街路樹の根系伸長域の確保という問題も解決しなければならない。屋上庭園・壁面緑化など建築物緑化に関する技術の進歩は目を見張るものがあるが、経年変化やヒートアイランド対策の点では新たな課題も生まれている。このように、美しい街の再生には多くの解決すべきポイントがあり、それらの動向は他の都市でも多いに参考になろう。
 そこで今回のシンポジウムは、成熟した都市「東京都」が目指す方向性を踏まえ、その実現に向けて緑化・土木・建築分野から考えられる新しい発想やアイデアを、参加者全員で考える場と位置づけ、都市再生のための提案を広く社会に向けて発信する場としたい。

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