第49回大会 企画研究集会のご案内 

 本大会では、会員や研究部会からの企画により3件の研究集会が企画されました。研究集会はどなたでも自由に参加できます。 当日の運営は企画者に委ねられていますので、お問い合わせなどはそれぞれの集会の各企画者へお願い致します。

研究集会1「都市河川の礫河原再生の方向性−その規模と配置の検討−」
研究集会2「緑化斜面のシカ食害の実態から考える植生管理のあり方」
研究集会3「微細種子(ラン科等)の野外播種試験を保全現場へどのように活用するか〜菌根共生系の解明と保全への応用〜」

研究集会1「都市河川の礫河原再生の方向性−その規模と配置の検討−」

日程・会場

日 程: 日時:2018年9月15日(土)13:30〜15:30
会 場: 東京都市大学 横浜キャンパス 3号館 3階33I教室
企画者: 倉本宣(明治大学)

話題提供

倉本宣(明治大学) 五味高志(東京農工大学) 知花武佳(東京大学) 
金子弥生(東京農工大学) 岡田久子(明治大学) 伊東静一(明治大学)

趣 旨

都市河川のような多摩川での礫河原の再生(すべての再生事業?)では、「かつての河原に戻す」ことは、これまでに採取された礫の量と礫の供給量の関係から、もはや困難になっている。保全対象となる生物相(たとえばカワラノギクなど)が最低限必要とする礫河原の配置や規模などが重要になる。逆に、河川敷内の樹林地や草地をハビタットとする動物にとっては、礫河原の配置や規模などをどのように捉えるべきかの検討も必要である。そこで、礫河原の生態的機能が維持される、ダイナミズムを維持できる規模と配置について検討したい。
あわせて、河川敷に近接して居住している市民に対するアンケートの結果についても報告し、自然側からの検討と対比する。

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研究集会2「緑化斜面のシカ食害の実態から考える植生管理のあり方」

日程・会場

日 程: 2018年9月15日(土)13:30〜15:30
会 場: 東京都市大学 横浜キャンパス 3号館 3階33K教室
企画者: 斜面緑化研究部会 / 生態・環境緑化研究部会 共同企画

趣 旨

シカ生息域において実施された斜面緑化施工地のシカ食害が増加しています。シカ食害は,緑化植物の採食に伴う植生の衰退・裸地化だけでなく,踏み荒らしによる侵食の発生,侵食に伴う排水路の閉塞,地質によっては落石の発生など,斜面保護機能自体にも大きな影響を与えます。今回の合同研究集会では,緑化斜面およびその周辺環境にも視野を広げ,シカ食害について,以下の4つの話題提供を基に議論を行います。
昨年のELR2017では,研究集会「斜面緑化におけるシカ被害の現状と課題(斜面緑化研究部会主催)」を開催しました。その第2弾ともいえる企画です。斜面緑化の課題の一つとして,シカによる食害の実態を切り口にして整理していきますが,その先には,そもそも牧草を主体に緑化植物を導入している法面緑化業界の現状があります。牧草を止めて別の,例えば不嗜好性植物にするのか?物理的に排除するのか?そこには地域性種苗による緑化というテーマも横たわっています。課題はあちらこちらにつながっていて,問題山積という状態が改めて浮き彫りになりそうですが,集会後半に皆さんと議論し,そこに解決の糸口を見出していきたいと思います。

話題提供

総合討論 司会:橘 隆一(東京農業大学 地域環境科学部)

企画・問い合わせ

斜面緑化研究部会  橘 隆一 r3tachib★nodai.ac.jp
生態・環境緑化研究部会 中村 華子 hana-n★tkb.att.ne.jp  ※★は@になおして下さい

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研究集会3「微細種子(ラン科等)の野外播種試験を保全現場へどのように活用するか〜菌根共生系の解明と保全への応用〜」

日程・会場

日 程: 2018年9月16日(土)13:00〜15:00
会 場: 東京都市大学 横浜キャンパス 3号館 3階33K教室
企画者: 庄司顕則(株式会社緑生研究所)

趣 旨

 開発事業等における環境保全措置として、植物の移植が広く行われている。しかしながら、ラン科等の共生菌が成長に不可欠な植物は移植後の活着率が低いことが多く、これらの移植困難植物の保全が喫緊の課題となっている。一方、土壌中の環境と共生系の把握をめざした野外播種試験法(自生地播種試験法)による保全手法が注目されつつある。これは、種子を入れたパケットを地中に埋設した後に定期的に回収し発芽状況を観察することによって、種子発芽特性および共生菌の種類や分布を特定する手法である。本手法は移植困難種の保全を行う上で実践的な技術となるばかりでなく、土壌中の生物群集に関する学術的知見も得られる手段として、幅広い応用が期待できる。移植困難種の保全に際してなぜ野外播種試験が必要なのか、それを保全現場にどのように活用できるかについて、先行的・応用的な事例を紹介しつつ会場を交えての議論の場としたい。

プログラム

開会挨拶・趣旨説明: 庄司顕則(株式会社緑生研究所)
話題提供:
 「共生菌に栄養依存する移植困難植物の野外播種試験を用いた保全」(国立科学博物館筑波実験植物園 遊川知久)
事例紹介:
1.全国の道路事業における移植困難種の事例と課題 (国土交通省国土技術政策総合研究所 大城 温)
2.移植適地判定試験としての野外播種試験 〜オオバノトンボソウを例として〜
  (千葉大学教育学部 大和政秀)
3.野外播種試験の着生ランへの応用 (鹿児島大学連合農学研究科 佐賀大学農学部 蘭光健人)
4.野外播種試験はツツジ科(旧イチヤクソウ科)にも有効 〜南限地におけるオオウメガサソウ保全のための取組み〜
  (ミュージアムパーク茨城県自然博物館 伊藤彩乃)
5.野外播種によるキンランの人工繁殖事例 〜種子スティックの紹介〜 (玉川大学農学部 山崎 旬)
6.野外播種試験法を用いた移植困難種の野生復帰 (株式会社緑生研究所 庄司顕則)

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