大会期間中に行われる研究集会
第50回大会運営委員会

第50回大会記念 公開シンポジウム「緑化の減災効果と今後の植生管理」

詳細プログラム入り  − 第50回大会 公開シンポジウム −

50回・2019年大会前日に記念シンポジウムを企画しました。
基調講演で九州の荒廃斜面を対象として土砂生産・流出と植生の減災効果について報告していただくなど、九州地域の具体例をできるだけ取り上げ、「緑化の減災効果と今後の植生管理」について議論する機会としたいと考えています。この行事は公開で開催し、関心のある方どなたでも、無料で参加していただけます。どうぞふるってご参加下さい。
 ※ この行事はCPDプログラムのポイント対象です。
← 左画像から、リーフレットをダウンロードして頂けます(pdf)。

公開シンポジウム「緑化の減災効果と今後の植生管理」

企画趣旨・背景

 地球温暖化現象に伴う降雨の強度と総量の増加によって、土砂災害の発生頻度が増加しています。土砂災害を防止・軽減するために、植生による減災効果を継続的に発揮させていくことは重要な課題です。さらに、今後の植生管理を考える上では、防災的な視点だけでなく、生態保全的な視点も不可欠です。本シンポジウムでは、緑化(自然的回復、工事や緑化資材などによる人工的回復)が侵食・崩壊の抑制に対してどの程度寄与できるのかを報告して頂くとともに、今後の防災的、生態系保全的な視点からの植生管理について考えて頂きたいと思います。
 基調講演では、九州の荒廃斜面を対象として土砂生産・流出と植生の減災効果について取り上げ、報告していただきます。植生の表層崩壊防止機能については力学的・統計的な評価を中心にして、過去から報告や学会誌上での寄稿などされてきました。表層崩壊防止機能については、これまでとは違う切り口となる、表層崩壊跡地や急斜面における植生遷移と過去の表層崩壊防止機能の知見に基づいて報告していただく予定です。
 さらに後半では、現地での具体的な調査結果を交え、火山地域の緑化とその防災効果、荒廃地における緑化資材の樹木成長効果、近年の流木災害の特徴と森林管理、斜面緑化と生物多様性などについて話題提供・報告していただきます。これらの話題提供・報告を踏まえ、減災的・生態系保全的な視点からみた今後の植生管理の在り方について考えたいと思います。
 今回のシンポジウムでは、九州地域の具体例をできるだけ取り上げ、「緑化の減災効果と今後の植生管理」について議論する機会としたいと考えています。どうぞふるってご参加下さい。

日 時

2019年9月13日(金)15:00〜17:30

会場には 14時よりお入りいただけます。
なお、同日の10:15〜14:30には、現地見学会「都市の自然再生」を開催いたします。あわせてご参加下さいますようご案内申し上げます。

現地見学会のご案内はこちら

会 場

九州産業大学 15号館 15201教室

〒813-8503 福岡市東区松香台2-3-1
https://www.kyusan-u.ac.jp/guide/summary/access.html

参加費

このシンポジウムのみの参加費は 無料です。(14日からの大会には参加費が必要です)
会員かどうかにかかわらず、どなたでも自由にご参加いただけます。

プログラム

司会   長島 啓子 京都府立大学
シンポジウムの趣旨説明   内田泰三 九州産業大学/第50回大会 運営委員長
基調講演 15:05〜15:50
「九州の荒廃斜面における土砂生産・流出と植生の影響」
  寺本行芳 氏  鹿児島大学
休憩(5分)
話題提供 15:55〜17:00 (15分×4名+質疑応答)
話題提供1 「火山地域の緑化と防災」
  小川泰浩 氏  森林総合研究所
話題提供2 「緑化資材と樹木の成長」
  江ア次夫 氏  愛媛大学名誉教授
話題提供3 「流木災害と森林管理」
  松岡良二 氏  林野庁九州森林管理局 計画保全部 治山課
話題提供4 「斜面緑化における植物の遺伝的多様性への配慮の必要性」
  今西純一 氏  大阪府立大学
討 論 17:00〜17:30
 コーディネーター:寺本行芳 氏 鹿児島大学
閉会あいさつ  福井 亘 京都府立大学/第50回大会運営副委員長

問い合わせ等

聴講参加に事前のお申し込みは必要ありません。お気軽にお越し下さい。
お問い合わせ等は
 第50回日本緑化工学会大会運営委員会 までお願いします。

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第50回大会 企画研究集会の開催

大会では、会員や研究部会からの企画により5件の研究集会が企画されました。研究集会はどなたでも自由に参加できます。 当日の運営は企画者に委ねられていますので、お問い合わせなどはそれぞれの集会の各企画者へお願い致します。
 ※ 研究集会はすべてCPDプログラムのポイント対象となります。

研究集会1「2019年提言とは何か?提言をどのように実現するか?」
研究集会2「地域性種苗の使用実態と今後の活用にむけた取り組み −阿蘇地域の復旧事業に関連した報告−」
研究集会3「海岸林の再生に向けて −再造林・天然更新・植生遷移の現状と課題−」
研究集会4「自然侵入促進工の成功例と失敗例を考える 〜現場事例に学ぶ斜面緑化勉強会(第9回)〜」
研究集会5「現在の自然的および社会的条件の下で河原に対するステークホルダーの意思は実現できるのか」

研究集会1「2019年提言とは何か?提言をどのように実現するか?」

日程・会場

日 程: 日時:2019年9月14日(土)14:30〜16:30
会 場: 九州産業大学 8号館 2階 8209教室
企画者: 緑化植物問題検討委員会
話題提供: 今西純一(大阪府立大学),吉田 寛(東興ジオテック(株)),江川知花(農研機話題提供:構 農業環境変動研究センター)
司 会: 橘 隆一(東京農業大学)

趣旨・内容

 生物多様性保全のための緑化植物の取り扱い方に関する提言2019」(2019年提言)が新たに公表された(学会誌44巻4号622〜628頁)。本研究集会では新提言が必要になった背景や,新提言の意図を参加者と共有し,提言を実現するためにこれからとるべき行動について考える。
  まず,今西が新提言の構成にしたがって,緑化植物の取り扱いに関する経緯や,緑化植物に関する現状の問題とその背景要因,生物多様性保全のための緑化植物の適切な取り扱いの実現に向けたビジョン(1つの長期ビジョンと2つの短期ビジョン),学会の役割について解説し,新提言の概要や要点を説明する。次に,吉田が短期ビジョン1「地域性系統の植物による緑化の推進」に必要なアクションについて,江川が短期ビジョン2「外来植物による緑化におけるリスク管理の実施」に必要なアクションについて,具体的な例示を交えながら解説を行う。最後に,新提言の実現に関して参加者と意見交換を行い,推進体制やスケジュール,留意事項等を検討することによって,学会として取り組むための基盤づくりを行う。

研究集会2「地域性種苗の使用実態と今後の活用にむけた取り組み−阿蘇地域の復旧事業に関連して−」

日程・会場

日 程: 日時:2019年9月15日(日)12:00〜13:00
会 場: 九州産業大学 8号館 2階 8209教室
企画者: 生態・環境緑化研究部会

趣旨

 生態・環境緑化研究部会では、2018年に日本緑化工学会の賛助会員企業などを対象に、市場単価設計の工事における緑化植物の使用状況についてのアンケートを実施した。地域性種苗を普及させるためはできるだけ種子価格を下げる必要があるものの、実際に使用されている配合や種子量は現場によってまちまちであり、現場によって使用状況は異なっているため、実態を調査したものである。その結果から現状で緑化事業に地域性種苗を使用する余地があるのかどうか、議論してみたい。
 また、2019年から国立公園周辺に位置する熊本地震の復旧事業対象地における実際の工事内容について、環境省九州地方環境事務所からの情報提供により調査中である。自然公園等、生態系に配慮すべき立地対象で行われる事業の方向性について分析〜提案ができるかどうか、目的や経過について紹介する。また、実際に阿蘇の崩壊地において植生の変化・回復状況などを継続的に調査している体験を踏まえた報告をしていただく。

話題提供

1.吉原敬嗣(紅大貿易株式会社),田中 淳(国土防災技術株式会社)
  「市場単価工事使用種子配合アンケートの結果報告」
2.森岡千恵(日本工営株式会社)
  「熊本地震により引き起こされた阿蘇の大規模崩壊地とその植生の回復状況」
3.小野幸菜(東興ジオテック株式会社 日本樹木種子研究所)
  「阿蘇地域の自然公園内における緑化植物使用実態調査について」

研究集会3「海岸林の再生に向けて −再造林・天然更新・植生遷移の現状と課題−」

日程・会場

日 程: 日時:2019年9月15日(日)13:00〜15:00
会 場: 九州産業大学 8号館 2階 8205教室
企画者: 海岸林・沿岸域緑化研究部会

趣旨

日本の海岸林は,マツ枯れや津波による甚大な被害を受け,今まさに各地で再整備が進められています。海岸林の再整備は,クロマツの植栽を主体とした従来型のものに加えて,地域の状況に応じた多様な取り組みが進められています。例えば、天然更新したクロマツや自然侵入した広葉樹を活かした事例もあり,これらは生物多様性保全やコストを抑えた手法になることが期待されます。また,海岸林の再整備にあたっては,土壌や微地形の改善が必要な地域もあり,東北沿岸では塩害や過湿の対策、日本海沿岸では前砂丘の修復が進められています。マツ枯れや管理放棄など海岸林が抱える苦難を乗り越えるためには,このような各地の事例を持ち寄り,多様な海岸林のあり方を模索することが大切と考えました。そこで,今回の研究集会では,マツ枯れや津波,飛砂による被害を受けたクロマツ林のその後の動態や植生管理の事例を共有し,今後の海岸林についてみなさんと議論したいと思います。

話題提供

1.吉ア真司(東京都市大学)
  マツ枯れ後のクロマツの天然更新の実態と植生管理
2.中島有美子(国際航業株式会社)
  海岸林造成地の環境条件とマツ枯れ後の植生遷移の関係
3.田中賢治(国土防災技術株式会社)
  塩類集積被害を受けた海岸林の再生
4.岡 浩平(広島工業大学)
  津波により倒壊したクロマツ林の天然更新の実態
5.萩野裕章(森林総合研究所)
  飛砂害の発生原因とその対策
6.眞見和樹(グリーン産業株式会社)
  飛砂軽減のための海浜植物による砂浜緑化

研究集会4「自然侵入促進工の成功例と失敗例を考える 〜現場事例に学ぶ斜面緑化勉強会(第9回)〜」

日程・会場

日 程: 日時:2019年9月15日(日)13:00〜15:00
会 場: 九州産業大学 8号館 2階 8209教室
企画者: 斜面緑化研究部会

話題提供

1.はじめに 橘 隆一(東京農業大学 地域環境科学部)
2.外来緑化植物の消長(仮)   内田泰三(九州産業大学 建築都市工学部)
3.自然侵入促進工の遷移傾向と他工法との違い(仮) 中村 剛(日本植生株式会社)
4.自然侵入促進工の施工実績と植生遷移の傾向(仮) 石田和宏(日新産業株式会社)
5.緑化法面に侵入したクズの根絶手法について(仮) 西野惇志(第一復建株式会社),早坂大亮(近畿大学 農学部)
総合討論 司会:橘 隆一(東京農業大学 地域環境科学部)

趣旨

当部会で注目すべきテーマには,シカによる植生の食害問題,自然侵入工による植生管理と植生基盤の品質に関する問題,表層崩壊防止と生物多様性保全の両立などが挙げられます。昨年度の大会ではシカの食害問題に関する研究集会を開催しました。
今回は,現場事例に学ぶ斜面緑化勉強会(第9回)として,“自然侵入促進工”をテーマにしました。自然侵入促進工には,植生基盤自体の耐浸食性や侵入植物の定着促進を含めた植生遷移の管理誘導,外来種子混入の可能性など技術的な課題があります。しかし,植生導入をしない分,施工への準備期間がほとんど不要であることなどから安価で安易な工法との誤った認識が広がり,施工の失敗事例が増えている懸念があります。
そこで,自然侵入促進工の成功事例・失敗事例や,自然進入促進工による侵入植生,緑化後の二次遷移について話題を提供していただき,皆さんと議論していきます。

研究集会5「現在の自然的および社会的条件の下で河原に対するステークホルダーの意思は実現できるのか」

日程・会場

日 程: 日時:2019年9月9月15日(日)13:00〜15:00
会 場: 九州産業大学 8号館 2階 8210教室
企画者: 倉本 宣(明治大学)

趣旨

 これまでの2回の大会では,多摩川の自然的な条件に重点をおいて,かつての礫河原を再生することがもはや困難であることを明らかにしてきた。その結果として,礫河原固有の生きものや樹林地を生息地とする動物にとってのハビタットの配置などを考えた。  今回は3回のシリーズの最終回として,2回にわたる福生市での集会をもとに,河原にかかわるステークホルダーとその意志を想定して,その実現可能性を検討する。会場の参加者の意見をうかがう時間を十分にとって考え方を整理し,多摩川が流れる福生市周辺のステークホルダーに実際に働きかける準備としたい。

話題提供

1.倉本 宣(明治大学) 企画の趣旨およびまとめ趣旨
2.五味高志・大平 充(東京農工大学),知花武佳(東京大学),金子弥生(東京農工大学),岡田久子(明治大学),伊東静一(明治大学)
5つの想定されるステークホルダーの意思と実現可能性

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第50回 日本緑化工学会大会(2019年・福岡)

日本緑化工学会大会について

 2019年9月14日〜15日に第50回(2019年)日本緑化工学会大会「第50回記念大会」を、九州産業大学および周辺で開催します。13日は現地見学会および公開シンポジウムを、14日と15日は九州産業大学にて研究発表会および定時総会、研究集会等を実施致します。

第50回日本緑化工学会大会 大会運営委員会

委員長:内田泰三(九州産業大学)  副委員長:福井 亘(京都府立大学)
事務局:古野正章(九州産業大学)
運営委員:佐々木一成,田中賢治,田中 淳,寺本行芳,中村華子,小阪裕師

  E-mail: ryokkakou50(あっと)gmail.com  ※(あっと)は@におきかえてください
  〒813-8503 福岡市東区松香台2-3-1
  九州産業大学建築都市工学部 都市デザイン工学科 内田研究室内 第50回日本緑化工学会大会事務局
  TEL:092-673-5674(内田) FAX:092-673-5093

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