日本緑化工学会第54回大会 シンポジウム・現地見学会のご案内

日本緑化工学会 2023年・新潟大会では 海岸林や海岸緑化をテーマとしたシンポジウム(9月21日)および現地見学会(9月22日・定員につき募集は終了しました)を行います。 また、会期中に6件の研究集会を企画しています。プログラムご参照の上、ふるってご参加下さい。

シンポジウム「新潟の海岸から学ぶグリーンインフラ」
現地見学会のご案内
研究集会のご案内
現地見学会 参加報告
 →(会員ブログ)参加報告:現地見学会「新潟の海岸で感じるグリーンインフラ」

現地見学会・シンポジウム 関連写真

写真1 写真2 写真3
写真1:道路まで飛砂が到達し、通行止めになることもある 写真2:砂浜側からみた海岸防災林の風衝林形 写真3:地元の方々が林床管理を継続しているクロマツ林
写真4 写真5 写真6
写真4:自然侵入したシロダモやタブノキなどの広葉樹が育つ 写真5:対策中の海岸クロマツ保安林の状況 写真6:有機質資材を使用した海岸の緑化事例。取り置いた表土から海浜植物が再生

シンポジウム「新潟の海岸から学ぶグリーンインフラ」

企画趣旨

 日本緑化工学会では,これまでグリーンインフラについて議論する機会を設け,学会誌で特集を組むなど情報発信を行ってきました。我が国の代表的なグリーンインフラの例として,砂丘地で生育するクロマツの海岸林があげられます。クロマツ海岸林の植栽が始まったのは江戸時代にさかのぼります。しかし,近年はマツ材線虫病により,全国的にクロマツの純林で海岸林を維持していくことが難しいのが現状です。
 このシンポジウムでは,飛砂が激しい新潟で海岸林のクロマツがどのような経過をたどって今に至っているか,また後から侵入してきた広葉樹について,地元で長年取り組んでこられた講師の方々に紹介していただきます。あわせて,海岸砂丘地に暮らす人々の知恵や飛砂抑制に活用される海浜植物の緑化技術についても紹介していただきます。最後に,総合討論としてクロマツ海岸林へ広葉樹侵入という変化がともなうグリーンインフラを我々はどのように維持管理していくのか意見交換の場にします。

開催概要

日 程: 2023年9月21日(木)14時30分〜16時45分
会 場: 朱鷺メッセ 3階 302
 
プログラム
基調講演:人と自然が作り出した新潟砂丘の海岸林
紙谷智彦 (新潟大学名誉教授)
話題提供1:広葉樹も活かす新潟海岸保安林の林相別管理指針
城向勇男 (新潟県農林水産部治山課)
話題提供2:「砂丘のまち柏崎」の飛砂をいなす暮らしの知恵と都市計画
高橋深雪 (柏崎市都市整備部都市計画課)
話題提供3:海岸飛砂地における在来植物を活用した新たな緑化の取り組み
今富有紀 (グリーン産業株式会社)
総合討論: 進行 吉ア真司(東京都市大学名誉教授)
パネラー: 紙谷智彦,小林達明(千葉大学)
 

 

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第54回大会 現地見学会「新潟の海岸で感じるグリーンインフラ」

日程及び概要

日 程: 2023年9月22日(金)9時〜15時
定 員: 30名
集 合: 新潟駅南口 9時
解散予定: 15時 新潟駅南口にて
参加費用: 一般:3,000円 会員および非会員学生:2,000円 学生会員:1,500円
参加申込: 54回新潟大会・ 参加申し込みサイトにて受付します(受け付けは終了しました)
 
スケジュール:
9時 新潟駅南口 出発
10時15分〜11時15分 柏崎市松波視察(海岸クロマツ保安林の管理と有機質資材を用いた海浜植物の緑化施工地)
 解説:新潟県長岡地域振興局 農林振興部森林施設課
12時30分〜13時20分 道の駅(昼食)
13時40分〜14時40分 新潟市青山海岸視察(クロマツと広葉樹の混交林)
 解説:紙谷智彦先生(新潟大学名誉教授)
15時 新潟駅南口 解散
※少雨決行 (台風等による大雨等が予測される場合は、前日までに大会会場でご案内します)
 

ご案内

日本海に面する新潟の海岸では、強風による飛砂害が激しく、全国に先駆けて様々な対策が実施されています。砂浜では、飛砂の発生抑制や捕捉を目的とした海浜植物による緑化が進められています。海岸防災林では、従来のクロマツだけではなく、シロダモやタブノキなどの常緑広葉樹を活用する管理が進められています。
今回の現地見学会では、これらの事例を現場の担当者や研究者から解説していただきます。

 

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会期中の研究集会

研究集会 1: OECMで活きる!生物のすみかとしての文化的緑地

日 時:9月20日(水)9:30〜11:00
会 場:201A
企画者:今西亜友美,岡 浩平,村上健太郎,小宅由似,宮崎直美
概 要:
2022年12月に開催された生物多様性第15回締約国会議で,2030年までの新たな世界目標である昆明・モントリオール生物多様性枠組が採択されました。具体的な目標の一つとして,2030年までに陸と海の30%以上を健全な生態系として効果的に保全する30by30目標が掲げられています。30by30を実現する方策の一つとして,OECM(Other Effective area-based Conservation Measures;保護地域以外で生物多様性保全に資する区域)が注目されており,日本では今年4月から環境省によって自然共生サイトの認定が開始されました。
ELR2022で開催した集会「OECM で活きる!生物多様性に配慮した緑化工学」では,おもに都市公園や法面緑化地を取り上げ,OECMと緑化工学のつながりについて議論しました。本研究集会では,日本各地に数多く存在する社寺林や庭園,古墳といった文化遺産に付随する緑地を取り上げます。これらの緑地は文化的に重要なだけでなく,生物のすみかとしても価値があることがいくつかの研究で報告されています。文化的緑地の自然共生サイト認定は,管理者や地域住民の意識を生物多様性保全に向かせたり,生物多様性保全に貢献する管理の持続性を高めたりすることで,地域の生物多様性保全にポジティブな効果をもたらすことが期待されます。本研究集会では,文化的緑地の履歴・構造・管理と生物多様性の関係,文化的価値と生物多様性保全に配慮した管理手法,文化的緑地の生物多様性保全機能の向上にむけた自然共生サイト認定の活用方法などについて会員の皆様と議論したいと思います。
内 容:
話題提供
 「OECMと文化的緑地(趣旨説明)」  村上健太郎(北海道教育大学)
 「OECMからみた神社林の保全管理」  飯田義彦(筑波大学)
 「鳥の視点からの史跡名勝の緑」  福井 亘(京都府立大学)
 「生物のすみかとしての古墳」  今西亜友美(近畿大学)
コメント   大石善隆(福井県立大学)  小宅由似 (香川大学)
司会・コーディネーター 宮崎直美(帯広畜産大学)
 

研究集会 2:i-Treeによる生態系サービス評価 -実務での活用事例と日本発の新規機能実装への展望

日 時:9月20日(水)9:30〜11:00
会 場:201B
企画者:平林 聡(アメリカ農務省、Davey Tree)・加藤 顕(千葉大学園芸学研究院)
概 要:
i-Tree Ecoはアメリカ農務省が無償で提供する樹木による生態系サービスの総合的な評価ツールである。これまで日本では学術界がその主な利用者であったが、近年、実務での利用や教育分野での活用も始まっている。さらにi-Tree Ecoやそれと互換性を持ったU-GREENに実装し得る新たな評価手法やモデル等の開発も行われ始めている。これらi-Tree Ecoを取り巻く新しい動きを紹介し議論する。
内 容:
1.明石工業高等専門学校 廣田敦志
 「明石高専キャンパス内におけるi-Treeの適用とその課題」
2.(一社)街路樹診断協会 事業委員会 吉岡 威
 「(一社)街路樹診断協会が取り組むi-Tree Ecoの活用」
3.株式会社 ヴォンエルフ 多田裕樹
 「国際環境認証LEED・SITESにおけるi-Treeの活用」
4.立教大学理学部SCOLA 高橋良子
 「i-Treeを用いた教育プログラムの実践?小中大による連携・活用事例?」
5.東京大学大学院新領域創成科学研究科 根本美緒
 「都市樹木の暑熱緩和効果による健康影響評価」
6.国土交通省 国土技術政策総合研究所 飯塚康雄
 「街路樹の現況評価手法の検討」
7.京都大学農学研究科環境デザイン学研究室 田村伊織(平林聡)
 「i-Tree Cool Air: イノベーションフィールド柏の葉での適用例」
8.東邦レオ株式会社 大庭義也
 「社会実装を見据えた樹木定量化項目の課題と拡張について」
 

研究集会 3: ランドスケープの生態的レジリエンスを考える

日 時:9月20日(水)14:30〜16:00
会 場:201A
企画者:小林達明、森本淳子、岡 浩平
概 要:
2020年から緑地のレジリエンスをテーマに研究集会を開催してきた。 今までは、個体(単木)そして生態系(林分)スケールを対象に、津波や暴風に対する緑地のレジリエンスを紹介・議論してきた。 今回は、ランドスケールレベルの緑地のレジリエンスをテーマに研究集会を開催し、気候変動下における緑地管理の課題を議論する。
内 容:
話題提供
 「趣旨説明」小林達明(千葉大学)
 「気候変動に伴う植生景観変遷史」百原 新(千葉大学)
 「風倒木被害からの森林再生」深町加津枝(京都大学)
コメント 森本淳子(北海道大学)
司会 岡浩平(広島工業大学)
 

研究集会 4: 高強度の降雨に対応する斜面緑化を考える・2

日 時:2023年9月20日(水)14:30〜16:00
会 場:201B
企画者:橘 隆一(日本緑化工学会斜面緑化研究部会 / 東京農業大学地域環境科学部)
概 要:
昨年の研究集会に引き続き,近年の豪雨災害の気象学的な実態や森林における降雨に対する土砂災害防止機能を再認識した上で,高強度の降雨に対応する緑化斜面として,植生とその支えとなる植生基盤に期待される機能について具体的な事例を含めながら議論を進めていきます。また,「生物多様性に配慮した緑化植物の取り扱い方に関するガイドライン2023」も本学会として公開されましたので,「侵食防止機能と生物多様性保全機能の両立」にも焦点を当てたいと考えています。
内 容:
・趣旨説明
高強度の降雨に対応する斜面緑化を考える・2」 
橘 隆一(日本緑化工学会斜面緑化研究部会 / 東京農業大学地域環境科学部)
・話題提供
「侵食防止と緑化工の技術史」
田中 淳(国土防災技術株式会社)
「在来草本を用いた植生工の侵食防止効果と地盤補強効果の解明」
中村 大(北見工業大学)
「気象条件の厳しい施工地における森林表土利用工の適用例と留意点」
石垣幸整(日特建設株式会社)
「耐侵食性を高めた自然侵入促進工と在来種播種工の耐久性と自然回復緑化の検証」
小澤信彦(東興ジオテック株式会社)
・総合討論
司会: 橘 隆一(日本緑化工学会斜面緑化研究部会 / 東京農業大学地域環境科学部)
 

研究集会 5: 解説『生物多様性に配慮した緑化植物の取り扱い方に関するガイドライン2023』

日 時:9月20日(水)16:15〜17:45
会 場:201A
企画者:緑化植物委員会
概 要:
緑化において地域の生物多様性に配慮することは益々重要になってきています。日本緑化工学会は2019年5月に「生物多様性保全のための緑化植物の取り扱い方に関する提言2019」を公表し,短期ビジョンとして「地域性系統の植物による緑化の推進」や「外来植物による緑化におけるリスク管理の実施」を挙げています。本研究集会では,これらのビジョンの実現に向けて本年5月に新たに公表された「生物多様性に配慮した緑化植物の取り扱い方に関するガイドライン2023」について解説します。
内 容:
司会・記録 内田泰三(九州産業大学)・橘 隆一(東京農業大学)
解説1. ガイドラインの目的,緑化水準の設定,地域性種苗・国内産在来緑化植物を使用する場合の植物材料の選定方法  今西純一(大阪公立大学)
解説2. 外来牧草類等を使用する場合の植物材料の選定方法  江川知花(国立研究開発法人 農業・食品産業技術総合研究機構)
解説3. 目標群落の設定,成績判定  吉田 寛(東興ジオテック(株))
解説4. 準備工  入山義久(雪印種苗(株))
解説5. 植生管理工  川原田圭介(西日本高速道路(株))
参考資料:
生物多様性に配慮した緑化植物の取り扱い方に関するガイドライン2023
http://www.jsrt.jp/tech/Tech_Files/teigen2019/guideline2023.pdf
 

研究集会 6: グリーンインフラ技術開発のための実証調査の紹介

日 時: 9月20日(水)16:15〜17:45
会 場: 201B
企画者:手代木 純、日下部友昭(都市緑化機構 研究部)
概 要:
国土交通省では、グリーンインフラの普及に向け、民間の有する先駆的な緑化関連技術の確立と全国への普及展開することを目的とした、「先駆的な緑化関連技術開発のための実証調査」を令和4年度から実施しています。この研究集会では、実証調査全体の概要を紹介するとともに、採択された技術の実証調査結果を社会課題毎に紹介します。
内 容:
 1)趣旨説明 国土交通省 公園緑地・景観課 小野晶大
 2)実証調査事業の説明 都市緑化機構
 3)実証調査結果の紹介(令和4年度調査事業者)
都市水害:レイ・ソーラデザイン、川田工業、日之出水道機器、全国トース技術研究組合、前田道路
カーボンニュートラル:日比谷アメニス
植栽環境:グリーバル
健康増進:竹中工務店
4)質疑応答
5)アドバイザーからのコメント:千葉大学 高橋輝昌准教授ほか

 

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第54回 日本緑化工学会大会

大会について

 第54回(2023年)日本緑化工学会大会は 2023年9月20日(水)〜22日(金)に、新潟市朱鷺メッセおよび周辺にて開催致します。研究発表会、公開シンポジウム、企業展示は9月20日・21日に行い、9月22日は現地見学会を実施致します。
9月21日に公開シンポジウム 「新潟の海岸から学ぶグリーンインフラ」も開催致します。ぜひご参加下さい。

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